最近、自宅周辺の土地の価格が上がってるみたい
マンションを買いたいと思っていたエリアの土地が高くなってる・・・
「土地の価格が◯年連続で上昇」とか「◯年ぶりに地価が上昇に転じた」などというニュースを目にすることがあります。
これから土地を買おうとする人にとっては、地価の上昇は良いニュースとはいえません。
土地が高くなれば、その分購入する時に必要となるお金が増えてしまうからです。
一方、すでに土地を持っている人であれば、地価が上昇すると、その分財産が増えて良いように思えます。
しかし実際は、土地の価格が上がるとうれしいどころか、逆に不幸だという人が多いです。
どうして土地を持っている人にとって、地価の上昇はうれしくないのか考えてみましょう。
土地の価格の種類は全部で5種類
一口に土地の価格といっても、価格を公表する機関や価格を利用する目的の違いに応じて、いくつかの価格が存在します。
一般的に土地の価格として用いられているのは、以下の5つです。
実勢価格
実勢価格とは実際に売買が行われた際の価格のことです。
通常の商取引では、他人どうしがどのような価格で売買を行ったのかを知ることはできません。
しかし土地などの不動産については、他の取引の参考にするため、実勢価格が公表されています。
土地などの不動産を売却した情報は、国土交通省のWEBサイト「不動産情報ライブラリ」に掲載されます。
このサイトでは、市区町村や町名などを入力した地域ごと、あるいは路線名や駅名ごとに所在する土地・建物やマンションの実勢価格を調べられます。
また、調べたい時期を指定できるので、より現在の状況に近い実勢価格を調べることが可能です。
土地をこれから購入する人は、実勢価格を調べて、想定している予算で購入できそうか、あるいは予算にあった地域はどの地域なのかを探してみる、といった利用方法があります。
また、どのような物件が売りに出されているのかを調べるのは不動産業者のサイトですが、過去の実勢価格から売りに出ている物件の価格が適正なのかを調べることもできます。
情報は定期的に更新されるので、思いついたら調べてみるのがいいでしょう。
公示地価
公示地価は、国土交通省が日本全国に定めるおよそ26,000か所の標準地について、毎年1月1日現在における1㎡あたりの価格として公表されます。
公示地価が公表される時期は、毎年3月となっています。
公示地価は、一般的な土地の売買における価格の目安となります。
実際に、国や地方公共団体などが公共目的に土地を取得する場合は、この公示地価を目安として土地の売買が行われます。
そのため、実勢価格と類似しているといえますが、実勢価格は土地の売買がなければ対象となるものはありません。
公示地価も実勢価格の動きを反映したものとなりますが、実勢価格がなくても近隣地域の実勢価格の動向などを参考として決められます。
公示地価も国土交通省のWEBサイト「不動産情報ライブラリ」で調べることができます。
実際に土地を購入しようとする際には、公示地価に近い金額で取引が行われることが多くなります。
ただし、公示地価の公表後に価格が変動する要因が発生することもあるので、必ずしも公示地価がそのまま反映されないケースもあります。
基準地価
基準地価は、都道府県が選定した基準地と呼ばれる地点の、毎年7月1日現在における1㎡あたりの価格として公表されます。
基準地は全国に約21,500か所あり、毎年9月に公表されます。
基準地価は、その金額を公表する機関が都道府県であること、基準になる時期が7月1日であること以外は、基準地価と同じものと考えられます。
そのため、標準地より基準地の方が近くにある場所では、基準地価を参考に取引が行われます。
路線価
路線価は、相続税路線価と呼ばれることもあり、毎年1月1日における1㎡あたりの価格として国税庁から公表されます。
路線価の公表時期は、毎年7月とされています。
路線価は、市街地などの道路に面した土地の価格として公表されます。
そのため国税庁のホームページでは、道路に沿って1㎡あたりの金額が記載されています。
公示地価や基準地価と大きく違うのは、評価する場所が特定の地点ではなく、市街地一帯であることです。
さらに、路線価は相続税や贈与税の計算に用いられるものであり、売買の参考価格ではないことも公示地価や基準地価とは大きく違う点です。
なお、路線価は公示地価の80%程度の金額になるとされています。
公示地価より低い金額となりますが、これは路線価を定める目的が公示地価とはまったく違うためです。
固定資産税評価額
固定資産税評価額は、市町村がすべての土地に対して課す固定資産税の計算の基礎として用いられる、1月1日現在の評価額です。
固定資産税評価額は毎年算定されるわけではなく、3年ごとに評価額が見直されます。
固定資産税評価額は、すべての土地(と建物)について算定されます。
ただし固定資産税評価額は公表されるものではありません。
固定資産税評価額などの情報を閲覧する精度はありますが、土地の所有者や賃借人などの利害関係者でなければ、利用することはできません。
一般的に、固定資産税評価額は公示地価の70%程度の金額になります。
固定資産税評価額の見直しが行われるのは3年ごとであるため、公示地価の変動が反映されるのは少し遅れることとなります。
土地の価格が上昇してラッキーな人、不幸な人
土地の価格の変動は、経済全般を考える際に重要な要素の1つであり、様々な地価が公表されると必ずニュースになります。
2024年現在、土地の価格は都市圏を中心に上昇傾向にあります。
土地の価格が上昇するとラッキーな人、一方で土地の価格が上昇して不幸な人とはどのような人なのでしょうか。
ラッキーな人
土地の価格が上昇して嬉しいのは、土地を売る予定の人です。
土地の価格は数千万円単位になることも珍しくないため、価格が1割上昇すると数百万円という大きな変動が生じます。
単純に売却だけすればよく、買換のために土地を購入する必要がなければ、土地の価格の上昇はメリットにしかならないといえます。
不幸な人
土地を所有する人
土地を所有していても売却するのでなければ、土地の価格の上昇のメリットはありません。
それどころか、土地を所有しているだけで生じるデメリットがいくつもあります。
一番のデメリットは、固定資産税の税額が大きくなることです。
土地を利用しているかどうかに関係なく、土地を所有しているだけで固定資産税がかかります。
住宅の敷地として利用している土地の場合は、最大6分の1まで軽減されますが、それでも決して小さな負担ではありません。
土地の価格が上昇すれば固定資産税も間違いなく大きくなるので、所有者にとっては負担増となります。
また、相続税や贈与税の税額も大きくなります。
相続税や贈与税は、相続や贈与が発生しなければ生じるものではないため、すべての人に影響するものではありませんが、相続税や贈与税の税額は大きくなるので、注意しなければなりません。
なお、相続の発生時期は決められませんが、贈与は当事者で決められます。
土地の価格が高くなりすぎたと感じる場合は、贈与を見送るといった判断も必要です。
土地を購入しようとする人
土地の価格の上昇は、これから土地を購入しようとしている人にとっては、不幸としかいいようがありません。
土地の価格が上昇したからといって、土地そのものの価値が大きくなるわけではありません。
特にマイホームを購入する場合は、近い将来に売却する予定はなく、土地の価格が上昇して得になることは何もありません。
単に購入する際に必要なお金が余分にかかり、また購入時に支払う仲介手数料半額や不動産取得税などの負担も大きくなるだけです。
土地の価格が上昇すれば、購入後に発生する固定資産税などの負担も増えます。
そのような負担に耐えられそうにない場合には、購入自体を断念したり、購入する物件を変更したりすることも検討しなければなりません。
まとめ
土地の価格は、誰の目にもはっきり分かるものではありません。
ただ、実際の売買価格は誰でも知ることができますし、取引がなくてもその価格に相当する公示地価が分かります。
土地の価格が上昇すると、経済環境としては明るい兆しがあるといえますが、実際に土地を保有している人やこれから土地を購入しようとする人にとっては厳しい状況となります。
公示地価や標準地価を参考に、自身の予算に見合った無理のない土地の購入ができるよう、多くの情報を収集しましょう。


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