親から相続した土地が、兄弟で共有になったんだけど・・・
でも共有になるってよくあるんじゃない?
土地や建物を購入した場合、あるいは相続した場合に、共有名義になることがあります。
不動産が共有となるのには何らかの理由がありますが、それはどうしてなのでしょうか。
また、不動産が共有名義となることにはメリットやデメリットはないのでしょうか。
不動産が共有名義になるケース
土地や建物などが共有名義になるのには、いくつかのパターンがあります。
中にはあえて共有にしたいケースもあります。
すでに共有になっている場合は、どのパターンによるのかを確認しておくといいでしょう。
夫婦で一緒にマイホームを購入した
マイホームを夫婦で一緒に購入した場合、そのマイホームとなった土地や建物は共有名義になります。
共同で購入したとは、マイホームの購入資金を夫婦がともに負担することをいいます。
共有名義になる場合、1人ずつ持分を決めなければなりませんが、その割合は負担した金額の割合に応じて決定されます。
例えば5,000万円のマイホームを夫が3,000万円、妻が2,000万円出して購入した場合、持分も夫が3/5、妻が2/5となります。
また、マンションを購入した場合も、建物だけでなく土地を取得しているので注意が必要です。
1つの土地や建物を複数人で相続した
土地や建物を相続する場合に、1つの物件を何人かの相続人で共同して相続することがあります。
この場合、相続した後の土地や建物は複数人で所有することとなるので、共有名義となります。
複数人で不動産を共同で相続することとなるのは、遺産分割の際に各相続人の相続分を調整するためです。
1つの物件を1人の相続人が相続すると、他の相続人とのバランスがとりにくくなることから共同で相続することとし、結果的に共有になることが多いのです。
配偶者に居住用財産を贈与した
自宅の土地や建物を夫婦間で贈与した場合、通常は贈与税の対象となります。
しかし、婚姻期間が20年以上の夫婦間で贈与が行われた場合、最高2,000万円まで贈与税が非課税になる制度があります。
これは夫や妻の一方に財産が偏る場合、生前に財産の贈与を行い、相続税対策を行うための制度です。
また、夫婦のいずれか一方がマイホームを保有しており、マイホームの所有者が先に亡くなった場合に、配偶者が自宅を相続できずに住む場所を失う可能性もあることから、そのような不安定な立場にならないようにするねらいもあります。
夫婦間で贈与を行えば、その後は夫婦で自宅を共有することとなります。
共有となっている不動産の持分を相続した
すでに共有となっている不動産の所有者の1人が亡くなった場合、その持分も相続財産となります。
そこで、相続人が亡くなった人の所有する共有持分を相続します。
相続人が複数人で共有持分を相続することもでき、その場合はさらに共有者の人数が増えることとなります。
日本において複数人で共有できる財産は不動産のみ
不動産が共有名義となる間接的な理由として、不動産だけが法的に共有できる財産であることがあげられます。
結婚して夫婦となった場合、あるいは親子である場合など、関係がきわめて近い人どうしで預金などの財産を一緒に管理することがあります。
ただ、一緒に管理して財産を使っていたとしても、その財産自体を所有するのは誰か1人とされ、共有していることにはなりません。
これに対して、不動産は共同で購入したり相続したりすると、その持分を決めて共有することができます。
不動産の共有の根拠となるのは法務局で行う登記であり、登記簿謄本には共有者とその持分が記載されています。
不動産は金額が大きく、1人で購入するのが大変なため共有となることがあります。
また相続の際には、持分を調整することで全員が納得できる遺産分割が可能となる場合に、やはり共有となることがあります。
不動産を共有するメリット
購入できる物件が増える
不動産を共有するメリットとしてあげられるのが、購入する際の金銭的な負担を何人かで分けられることです。
不動産を購入する際に、1人の経済力だけでは購入できない物件も、2人であれば購入できることがあります。
特にローンを利用する場合は、金融機関の融資が実行されるために審査を受けなければなりませんが、1人では通らない審査にも2人であれば通るといったことが考えられます。
相続がスムーズに行われる
相続が発生した場合にトラブルの原因となるのが、遺産分割の方法の決め方、そして相続税の負担です。
不動産を共同で相続することで、これらのトラブルを未然に防ぐことができます。
不動産を共有名義にすることで、特定の相続人に遺産が集中しないようにでき、その結果、相続税の負担も分散することができるのです。
不動産を共有するデメリット
売却や建て替えが難しくなる
共有名義となっている不動産については、その共有者全員が同意しなければ売却できません。
また売却だけでなく、建て替えもすべての共有者の同意がなければできません。
親族であっても、意見の異なる人がいると、その物件を思いどおりに利用することはできなくなり、古くなってもそのままになってしまうこともあります。
新たなトラブルのもととなる
共有となった不動産をどのように利用するかで、共有者どうしのトラブルとなることがあります。
また固定資産税や維持費の負担をめぐっても、争いになる可能性があります。
共有にしたばかりに、新たなトラブルが発生することも少なくありません。
相続でさらに共有者が増える可能性がある
もともと共有となっていた不動産について、共有者が亡くなると新たな相続が発生します。
ただ、共有者は自身が所有していることを認識していない場合もあり、正式に相続手続きが行われないことも考えられます。
そうなると、亡くなった人の法定相続人全員が新たな所有者となり、さらに共有者が増えてしまいます。
共有者が増えれば増えるほど、意見がまとまらずに不動産が放置状態になってしまう可能性が高くなります。
まとめ
不動産が共有名義になることは、決して珍しいことではありません。
ただ、珍しくないからといって、共有にすることがすすめられるわけではありません。
特に相続によって共有にすることは、メリットよりデメリットの方が大きいので、できるだけ共有にしないことが望ましいのです。
相続で共有とならないようにするにはどのようなことができるのか、その具体的な方法については改めてご紹介します。


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