税金の負担を減らす方法はないのかな?
所得税以外に住民税の金額も大きいみたいだね・・・
給料をもらったり株式を売却したりして所得が発生すると、税金を納めなければなりません。
この時納める税金の種類として、所得税と住民税があることは多くの方が知っていると思います。
ただ、所得税と住民税の違いについて知っている方は、意外に少ないかもしれません。
そこで、住民税とはどのような税金であり、所得税とはどのように違うのか、ご紹介していきます。
住民税とは?
住民税とは、日本国内に住んでいる人が、住んでいる自治体(都道府県・市町村)に納める税金です。
1年間の所得金額(もうけ、利益)を計算し、その所得金額に対して税率を乗じて納めるべき住民税額を計算します。
なお、住民税と一般的に呼ばれるのは、都道府県民税と市町村民税を総称したものです。
都道府県民税とは都道府県に納める税金であり、市町村民税とは市町村に納める税金であることは、その名前からもお分かりいただけるでしょう。
住民税を納める自治体は、住民票のある自治体となります。
進学や転勤の際に住民票を移していないと、実際に住んでいる自治体とは別の自治体に納税することになります。
住民税と所得税の違い
住民税と所得税は、その納付先が異なるという点で、まったく異なるものであることが分かります。
ただ、住民税と所得税はそれ以外にも根本的に異なる点があり、そのことがライフプランに影響することがあります。
どのような違いがあるのか、特に重要な点について解説していきます。
税率が違う
住民税と所得税はともに、「所得金額×税率」の計算式で税額を計算します。
ただし、住民税の税率と所得税の税率には大きな違いがあります。
住民税の税率は、どの人も一律10%となっています。
この10%の内訳は都道府県民税が4%、市町村民税が6%となっていますが、税額計算においても納付においても、税率に区分があることを意識することはありません。
所得控除の金額が違う
税額を計算する際に用いる「所得金額」とは、正しくは合計所得金額から所得控除の金額を引いた後の課税所得金額のことです。
1年間の「もうけ」を表す合計所得金額の計算では、住民税と所得税の違いを考慮する必要はありません。
しかし、所得控除の金額は住民税を計算する時と所得税を計算する時で異なるため、注意が必要です。
住民税と所得税で、所得控除の控除額に違いがあるものは下記のようになります(一部抜粋)。
| 所得控除の種類 | 住民税 | 所得税 |
|---|---|---|
| 基礎控除(合計所得金額2,400万円以下の場合) | 48万円 | 43万円 |
| 配偶者控除(本人の所得900万円以下で配偶者が70歳未満の場合) | 38万円 | 33万円 |
| 配偶者特別控除 | 最大38万円 | 最大33万円 |
| 扶養控除(一般) | 38万円 | 33万円 |
| 生命保険料控除 | 最大12万円 | 最大7万円 |
| 地震保険料控除 | 最大5万円 | 最大2.5万円 |
こうしてみると、住民税の方が控除額が少なくなっており、その分課税所得金額が大きくなることが分かります。
税金を納付する時期が違う
課税所得金額は1年間の収入や控除額が確定しなければ計算できないため、年末調整や確定申告などにより、年末〜翌年にかけて計算を行います。
そして、計算された税額を納付することとなりますが、その納付時期は住民税と所得税で異なります。
所得税の場合、年末調整を行った人は、その計算を終えた時に税金の精算も行います。
また確定申告を行った人は、確定申告の提出期限である3月15日までに、納税も行わなければなりません。
毎月の給料から徴収される所得税は、給料の金額や扶養家族の有無に基づいて仮に計算された金額ですが、その年の税金を納めていることとなります。
一方、住民税については確定申告の有無にかかわらず、基本的に翌年6月から翌々年5月にかけて納付を行います。
毎月の給料から徴収される住民税は、前年分の所得から発生した金額を後から納付していることとなります。
住民税の計算方法
住民税の金額の計算方法は、所得税と基本的には同じです。
合計所得金額を求める
合計所得金額とは、収入金額から必要経費を差し引いた後の金額のことです。
給与所得者の場合、給与収入(給与の総額)から給与所得控除の金額を引いた後の金額となります。
下記の表を使って、給与の収入金額から給与所得の金額を求めます。
| 給与収入の金額 | 給与所得の金額 |
|---|---|
| 〜550,999円 | 0円 |
| 551,000円〜1,618,999円 | 給与収入の金額−55万円 |
| 1,619,000円〜1,619,999円 | 1,069,000円 |
| 1,620,000円〜1,621,999円 | 1,070,000円 |
| 1,622,000円〜1,623,999円 | 1,072,000円 |
| 1,624,000円〜1,627,999円 | 1,074,000円 |
| 1,628,000円〜1,799,999円 | 給与収入の金額÷4(千円未満切捨)×4×0.6+100,000円 |
| 1,800,000円〜3,599,999円 | 給与収入の金額÷4(千円未満切捨)×4×0.7-80,000円 |
| 3,600,000円〜6,599,999円 | 給与収入の金額÷4(千円未満切捨)×4×0.8-440,000円 |
| 6,600,000円〜8,499,999円 | 給与収入の金額÷4(千円未満切捨)×4×0.9-1,100,000円 |
| 8,500,000円〜 | 給与収入の金額−195万円 |
所得控除の金額を求める
所得控除は、全部で15種類あります。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
すべての人が適用を受けられるものはありませんが、基礎控除は多くの人に適用されます。
また、確定申告しなければ適用されないものもあるので、確定申告の必要性の有無についても確認しておきましょう。
なお住民税の計算では、所得税に適用される控除額とは異なるものが多いので、その点も注意が必要です。
課税所得金額に税率を乗じる
合計所得金額から所得控除の金額を差し引いて、税金の対象となる課税所得金額を求めます。
課税所得金額を計算し、その金額に10%の税率を乗じると住民税の金額となります。
所得税のように課税所得金額が大きくなると税率も高くなる累進課税ではないので、非常にシンプルな計算方法となります。
住民税の金額を減らすには?
住民税の計算方法は、税率を除けば所得税の計算と同じです。
そのため、所得税の節税対策として実行した内容は、そのまま住民税の節税としても有効です。
例えば、以前にご紹介した記事の中に、節税の具体的な方法をいくつかご紹介したものがあります。
なお、住民税の税率は一律10%となっていますが、これは課税所得金額が195万円以下の人に対する所得税率5%より高い割合です。
所得税率が5%とはどのような人が該当するのか、その具体例をあげると以下のようになります。
〇給与収入440万円、社会保険料控除66万円、基礎控除48万円で課税所得金額194万円
〇給与収入500万円、社会保険料控除75万円、配偶者控除38万円、基礎控除48万円で課税所得金額195万円
給与収入がある程度ある人でも、所得税率は5%の範囲で収まるので、住民税の方が負担が大きくなります。
このような人は、何らかの節税を行った場合、所得税より住民税の方が節税効果が大きくなります。
まとめ
住民税の計算は、自治体が年末調整や確定申告の結果に基づいて自動的に行います。
そのため、どのような計算が行われているかを考えることはなく、住民税をいくら負担しているかも知らない方が多いと思います。
ただ、人によっては住民税の負担が所得税より大きいので、注意が必要です。
所得税の節税を考える時には、住民税も節税になっていることを意識しておくと、よりその効果を実感できるでしょう。



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