給料が増えると税金がめちゃくちゃ上がるって本当なの?
半分近くが税金で取られることもあるらしい・・・
所得税の金額は「所得金額×税率」と計算するので、所得金額が増えれば負担する税額も必然的に増えます。
また、所得税の税率は一律ではなく、「累進課税」と呼ばれる計算方法となっているので、所得が大きくなるほど税金の負担はより大きくなります。
一方で、税率の上昇については誤解している方も多く、税金の負担については正しい理解が必要です。
何となく理解しているつもりの方も、改めて所得税の計算方法を知ると、新たな発見があるかもしれません。
累進課税とは
累進課税とは、税金の対象となる金額が大きくなるほど、高い税率を使って税額を計算することです。
累進課税とは逆の考え方は「比例課税」と呼ばれ、税金の対象となる金額の大きさに関係なく、一律の税率を使って税額を計算します。
累進課税となっている税金の計算は、比例課税となっている税金より計算が複雑になります。
直感的にどれくらいの税額になるかが分からず、計算してみたら思っていた以上の税額になるケースもあります。
また累進課税の場合には、税金の対象になる金額が大きくなる以上に、負担すべき税額の負担割合が大きくなるので、納税者にとってはより負担を感じる結果となります。
一方で累進課税の場合、税金の対象になる金額が少なければ、それほど大きな負担にはならないメリットがあります。
また累進課税で計算された税額に対して節税を行うと、税額の大きな人ほど節税効果が大きくなります。
そのため、税額が大きくて苦しんでいる人ほど、節税を行うといいでしょう。
なぜ累進課税が存在するのか?
税率に違いがある累進課税は、不公平な制度のように思えます。
しかし実際には、累進課税制度が不公平だとする考え方はなく、累進課税制度が導入されているのには理由があります。
- 所得や財産など税金の対象になる金額が大きい人ほど、経済的な負担能力が大きい
- 所得や財産の大きな人ほど公共サービスを大きく受けており、受けたサービスに応じて税金を負担すべき
- 税金に所得格差の是正と富の再分配という機能を求め、累進課税によってその機能をより強固なものにする
ここにあげた以外にも、累進課税が導入されている理由はいくつもあり、今後もこの課税方法がなくなることはないと思われます。
累進課税が採用されている税金の種類
累進課税が採用されている税金には、いくつもあります。
私たちになじみのある税金の中では、以下のような税金に累進課税が採用されています。
- 所得税
- 相続税
- 贈与税
一方、消費税や固定資産税は累進課税ではなく、原則として税率が変化しない比例課税となっています。
(ただし消費税は対象品目によって税率が異なる複数税率制度が導入されています。)
累進課税の計算方法(所得税の場合)
所得税は累進課税になっており、所得金額が大きくなるほど税率が高くなると知っているので、単純に所得金額が一定以上になれば、その金額に応じた税率を乗じると思っている方もいると思います。
しかし、累進課税の計算方法はそんなに単純ではありません。
所得税の金額は、下記の速算表を使って計算します。
| 所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000円~1,949,000円 | 5% | 0円 |
| 1,950,000円~3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円~6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円~8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円~17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円~39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
所得金額が500万円の人の場合は、この速算表を使って、以下のように所得税額を求めます。
500万円×20%-427,500円=572,500円
所得税の税率は、表にあるとおり5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%の7段階となっています。
この表を見ると、所得金額が500万円の人は「3,300,000円〜6,949,000円」にあたるので、税率20%に該当します。
ただし、500万円×20%=100万円の所得税額になるわけではないので注意が必要です。
所得税の負担率は税率とは異なる
先ほどご覧いただいたように、所得金額500万円の人は572,500円の所得税を負担します。
所得金額500万円の場合、速算表では税率20%となってますが、実際に負担する所得税の割合は、572,500円÷500万円=11.45%となります。
そこで、所得金額から計算される所得税額をもとに、所得税の負担率を一覧にしました。
| 所得金額 | 所得税額 | 負担率 |
|---|---|---|
| 100万円 | 50,000円 | 5% |
| 200万円 | 102,500円 | 5.12% |
| 300万円 | 202,500円 | 6.75% |
| 400万円 | 372,500円 | 9.31% |
| 500万円 | 572,500円 | 11.45% |
| 600万円 | 772,500円 | 12.87% |
| 700万円 | 974,000円 | 13.91% |
| 800万円 | 1,204,000円 | 15.05% |
| 900万円 | 1,434,000円 | 15.93% |
| 1,000万円 | 1,764,000円 | 17.64% |
| 1,500万円 | 3,414,000円 | 22.76% |
| 2,000万円 | 5,204,000円 | 26.02% |
| 2,500万円 | 7,204,000円 | 28.81% |
| 3,000万円 | 9,204,000円 | 30.68% |
| 3,500万円 | 11,204,000円 | 32.01% |
| 4,000万円 | 13,204,000円 | 33.01% |
| 4,500万円 | 15,454,000円 | 34.34% |
| 5,000万円 | 17,704,000円 | 35.40% |
| 1億円 | 40,204,000円 | 40.20% |
| 2億円 | 85,204,000円 | 42.60% |
所得金額が大きくなるほど、所得税の負担率が大きくなっていることが分かります。
その一方で、所得税の負担率は税額の計算に用いられる税率よりは低くなっています。
まとめ
所得税は、所得が大きくなるほど税額がより大きくなる累進課税が採用されており、計算に用いられる税率は全部で7段階になっています。
ただし、その人の所得金額によって税率が決まるわけではなく、所得金額の段階ごとに税率が決められており、所得税額の計算は速算表を使って行います。
実際に負担する所得税額は、計算に用いる税率より低くなりますが、所得金額が大きくなるほど負担率が高くなる点は変わりはありません。
また、所得税の計算にあたっては、所得金額を求めるのが難しいので、その内容については別の機会に解説します。


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